トップメッセージ

～2020年12月期第3四半期決算を終えて～　

新政権が発足し、デジタル庁新設が決まり、これを受けて産業界では、企業経営のデジタル変革への急速なシフトが進む気運が高まっております。当社は、このような潮流の中で、加速化するＤＸ（デジタルトランスフォーメーション）拠点として新大手町データセンターを位置付けた事業展開を進めてまいりました。そのようなデジタル化加速化気運の中、2020年12月期の第3四半期決算（2020年1月～9月）を終了しましたので、その概要を要約させて頂きたいと存じます。

当第3四半期における連結決算は、売上高12,432百万円（前年同期比14.7％増）、営業利益464百万円（前年同期比714百万円増）、経常利益470百万円（前年同期比744百万円増）、親会社株主に帰属する四半期純利益379百万円（前年同期比908百万円増）となりました。

連結業績につきましては、ブロードバンドタワー本体が中心として展開するコンピュータプラットフォーム事業セグメントにおいて、新大手町データセンターの契約率と稼働率の上昇、クラウド・ソリューションではパブリッククラウドの受注増、また、データ・ソリューションではDELL EMC社製アイシロンとScality社製SDS（Software Defined Storage）が共に伸長し、当初計画を上回る営業拡大を行うことができました。ニューノーマル（新常態）の象徴的存在であるテレワークが世の中では伸長しております。重要度が増しているサイバーセキュリティ事業についても強化を図ってまいります。

メディアソリューション事業セグメントの中核事業を担うジャパンケーブルキャスト（JCC）とその子会社の沖縄ケーブルネットワーク（OCN）（以下、2社あわせて、JCCグループ）も、事業コスト低減等が奏功し、当初計画を上回る利益水準を確保し、連結業績に寄与しました。

また、IoT/AIソリューション事業セグメントの中核企業であるエーアイスクエアは、前年同期に比べ売り上げが増加し、自然言語処理にフォーカスしたAI分野における提携拡大を行いました。例えば、日本でもシェア拡大を続ける当分野の世界的企業米ジェネシス社のコールセンター・クラウド・プラットフォームのGenesys CloudとエーアイスクエアのQuickSummaryとを連携させるサービス展開を行うことで合意しました。

全体としましては、2020年12月期第3四半期は、2019年9月に完了させた新データセンター第2期工事から1年が経過し、連結営業損益、連結経常損益は増益となり、親会社株主に帰属する四半期純利益も、その結果、増益となりました。総括的には、回収期を迎えた新大手町データセンターの本格的な事業拡大期となる2020年12月期の通期業績の第3コーナーを回った第3四半期業績としては、通期業績としての黒字復帰を予想できる結果となりました。

今後は、ブロードバンドタワー本体が提供する新大手町データセンターとアット東京等他の提携データセンター事業者との連携拡大を行うことで、クラウド・ソリューション、データ・ソリューションの3つの事業、ティエスエスリンクの提供するサイバーセキュリティソリューションからなるコンピュータプラットフォーム事業の黒字幅の拡大を目指します。IoT/AIソリューション事業では、グローバルIoTテクノロジーベンチャーズの投資事業の進展がみられるため、イスラエル等の投資先企業との連携事業を推進する所存であります。また、エーアイスクエアは、「QuickQA」（AIによる自動応答エンジン）、「QuickSummary」（AIによる自動要約エンジン）という２つのサービスに加えて、クラウド型音声認識サービス「AI2 ASR」の提供を開始し、さらなる新規顧客獲得を目指し、DXの加速化を担うRPA（Robotic Process Automation）ソフトウェアプラットフォームにフォーカスしたAI事業の拡大を推進いたします。

最後に、第3四半期には、デジタル変革時代における新大手町を中心とした首都圏中心の事業から段階的に全国への営業拡大を目指し、西日本の通信拠点『大阪POP』を開設し、西日本地域で大容量インターネット接続サービス・IPトランジットサービスを提供することと致しました。2020年12月期通期業績につきましては、前年同期と比較して大幅な利益水準の改善を達成し、通期黒字復帰の目途をつけることができましたので、デジタル変革時代を担う企業として事業展開を行いたいと存じます。引き続き、尚一層のご支援・ご協力をお願い申し上げます。