トップメッセージ
株主・投資家の皆様へ
~2025年通期における連結決算を終えて~
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調が継続しております。他方で資源・原材料価格の高止まりや、円相場の変動、米国新政権の通商政策、各国の金融政策の動向など、世界経済の先行きには引き続き不透明感が残る状況となっております。
一方で、ブロードバンドタワー(以下、当社)グループが属する情報サービス産業においては、6月には政府にて「デジタル社会の実現に向けた重点計画」が閣議決定され、AI(人工知能)・デジタル技術の活用による社会全体のDX化(デジタルトランスフォーメーション)の推進を主題として、データセンターなどでのAIフレンドリーな環境整備の推進や、遠隔にあるデータセンターを仮想的に柔軟に接続するオール光ネットワーク技術の開発促進・普及が目標として挙げられたほか、10月にはデジタル庁とOpenAIの間での戦略的協力に向けた新たなる取り組みが発表されるなど、デジタル社会の実現に向けたインフラ面、制度面での重点計画が明確に示されるとともに、具体的な動きが活発になりつつあります。また、高市内閣のもとで立ち上げられた「日本成長戦略会議」においては、AI、半導体、サイバーセキュリティなどの戦略分野に対して、大胆な投資促進、国際展開支援、人材育成をはじめとする多角的な観点からの総合支援策を講じ、官民の積極投資を引き出していくことが明言されております。これら政府の方針・計画、世界的なAI・半導体分野の動向、ソフトウェア・ハードウェア技術の進展、企業のDX化・データ活用への取組みなどにより、データセンター市場、クラウド市場およびデータ・ソリューション市場は、今後も中長期的に拡大していくと見込んでおります。
このような環境の中、当社は2025年12月期通期(2025年1月1日~12月31日)の連結決算を終了しましたので、その概要につき、ご説明させていただきます。
2025年12月期における連結決算は、コンピュータプラットフォーム事業の増収により売上高は15,289百万円(前年同期比13.9 %増)、営業利益は811百万円(前年同期比21.4%増)となりました。経常利益は営業利益の増加等により909百万円(前年同期比12.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は300百万円(前年同期比22.3%減)となりました。
連結業績につきましては、まず、当社が中心として展開するコンピュータプラットフォーム事業において、データセンターの売り上げが減少(前年同期比5.7%減)、クラウド・ソリューションの売り上げが増加(前年同期比6.2%増)、データ・ソリューションの売り上げが大幅に増加(前年同期比86.7%増)いたしました。データセンターでは、都市型データセンターの需要は堅調であり、基幹である「新大手町サイト」をはじめ、各拠点ともに安定的な運営を継続しております。他方で、前期はネットワーク関連サービスのスポット案件の寄与で収益が増加しておりましたが、今期は平常水準に戻ったことで、セグメント全体では減収となりました。クラウド・ソリューションでは、自社のc9 Flexサービス、SaaS(Software as a Service)サービスなどが堅調であることに加えて、Amazon (AWS)・Microsoft (Azure)などのパブリッククラウドとの組み合わせ利用によるマルチクラウド運用支援へのニーズが引き続き堅調であり、売り上げが増加いたしました。また、「Dell PowerScale / Isilon」とその関連製品であるカナダ「Superna」(スパーナ)社製ランサムウェア対策ソリューション群、ペタバイト(PB=1,024テラバイト)規模のストレージを構築可能な「Scality RING」などを提供するデータ・ソリューションでは、「Dell PowerScale / Isilon」において、グローバルにIPコンテンツを展開する日本を代表する企業からの大規模案件を獲得したことにより、大幅に増収・増益となりました。
次に、連結子会社のジャパンケーブルキャスト株式会社(JCC)を中心に展開するメディアソリューション事業の各サービスでは、「JC-HITS」を中心としたコンテンツプラットフォームのサービスにおいては、ケーブルテレビ局の多チャンネル放送サービスのユーザー数の減少により、売り上げが減少(前年同期比8.9%減)いたしました。また、「JC-data」や「地域・防災DXサービス」などのインフォメーションプラットフォームサービスにおいては、地方自治体による「新しい地方経済・生活環境創生交付金」利用の活発化を背景に自治体向けデータ放送サービス及び地域・防災DXサービスの受注が増加し、売り上げが増加(前年同期比11.5%増)しております。インフォメーションプラットフォームサービスにおいては、地方自治体による「新しい地方経済・生活環境創生交付金」の利用が引き続き活発であることから、販売促進活動をさらに強化し、一層の売り上げ拡大を目指してまいります。
また、本年1月27日に「剰余金の配当(増配)に関するお知らせ」にて、ご案内をさせていただいております通り、2025年12月期(当期)におきましては、売上高および利益ともに順調に推移し、期中において、大型案件の獲得等にて当初の業績予想の修正を行い、当期は当初想定を上回る増収・増益となったことから、株主還元の充実を図る観点で、増配にて当期の期末配当を実施することといたしました。今後につきましても、業績動向や財務状況を総合的に勘案しつつ、安定的かつ継続的な株主還元を検討してまいります。
なお、2025年11月17日付のプレスリリースにてお伝えした通り、次世代通信基盤「IOWN®」を活用したストレージシステムの共同実験を、当社とNTT東日本株式会社との間で協定に基づき進めております。この共同実験は、「新大手町サイト」と開設予定の「石狩再エネデータセンター」間を想定したもので、1,000kmを超える長距離データセンター間で同一のファイルシステムを構成する初めての取り組みです。「IOWN®」を活用することで、データの配置場所や距離を意識することなく、最寄りの拠点からストレージシステムへアクセスし、遠隔地拠点とデータをリアルタイムにデータを共有・活用することが可能となります。
今後も当社は、「インターネットに近い」・「ネットワークに強い」データセンターを有する事業者としての優位性を活かし、「新大手町サイト」を中核とした低遅延・広帯域ネットワークサービスの充実と拡充を進めてまいります。また、北海道石狩市において、合同会社石狩再エネデータセンター第1号(ISRD)との基本合意のもと推進する「石狩再エネデータセンター」事業を足掛かりに、ネットワークに加え、電力需要にも強いデータセンター事業者を目指し、電力と通信の効果的な連携(ワット・ビット連携)、都市型データセンターに加えて郊外型データセンターの展開を推進、新たな成長領域を創出してまいります。また、Dell Technologies社製品、Scality社製品をはじめとしたデータ・ソリューション事業、メディアソリューション事業を有機的に展開していくことで、お客様ビジネスの発展に貢献してまいります。
今後とも、尚一層のご支援・ご協力をお願い申し上げます。
※「IOWN®」は、NTT株式会社の商標又は登録商標です。
株式会社ブロードバンドタワー