独立行政法人情報処理推進機構

  • 業種

    独立行政法人

  • 課題・要望

    AWSへのインフラ構築

  • 製品・サービス

    クラウド

  • クラウド
  • 情報・通信業
  • AWS上へのWEBサイト構築

国内のデジタル業界を支えてきた独立行政法人情報処理推進機構。デジタル人材育成を目的として開発したのが、講座の紹介を通してユーザーに適切な学びを提供するデジタル人材育成プラットフォーム ポータルサイト「マナビDX」だ。2023年、サイトのインフラをAWS環境へ移設し、UIやコンテンツ管理機能などを強化することになったが、その支援を行ったのが、インフラ領域に強みを持つBBTowerだった。

ポイント
  • 〇 デジタル人材育成プラットフォーム ポータルサイト「マナビDX」のAWS環境を、インフラ要件確定後、2ヶ月という短期間でインフラ構築を完了
  • 〇 AWSでのインフラ構築をBBTowerが支援。システム構築を担当するビジネスパートナーと連携して、短期間でのリニューアルに成功
  • 〇 インフラを社内クラウドからAWSに変え、UI/UX、コンテンツ管理機能、セキュリティを大きく強化
  • 〇 24時間365日体制の運用監視、AWS WAFWafCharmによるセキュリティもBBTowerが管理

デジタル人材育成プラットフォーム ポータルサイト「マナビDX」をAWSに移行、
UIや管理機能、セキュリティなどを大幅強化。
そのインフラをBBTowerが構築、運用

デジタル人材の育成を支援、促進し、「頼れるIT社会」を実現していく

目まぐるしく変化していくIT社会。その中で、安全で利便性の高い「頼れるIT社会」の実現を目指して、デジタル基盤の提供やサイバーセキュリティの確保などに取り組んできたのが情報処理推進機構(以下IPA)だ。2004年の設立以来、国内のデジタル化を促進させるさまざまな活動に取り組んできたIPAは、「デジタル人材育成」にも注力してきた。

企業、産業界のDXを加速させるためにはデジタル人材の育成が欠かせない。そこで2022年3月、経済産業省「地域デジタル人材育成・確保推進事業」の一環として、IPAはデジタル人材育成プラットフォーム ポータルサイト「マナビDX(デラックス)」を立ち上げた。その目的は、「すべての人に学びの場を提供する」という理念の実現にあった。

マナビDXの運営事務局の審査基準を満たした講座を紹介するマナビDXを利用すれば、基本的なデジタルスキルはもちろん、AIなどのトレンド技術、デジタルマーケティングやデジタルリテラシーなど、目的に応じた講座を探すことが可能だ。より実践的な講座も掲載しているので基礎的な知識やスキルを身につけた人のスキルアップにも向いている。

コンテンツ等の管理機能や審査機能等を実装し、ユーザインタフェース・ユーザーエクスペリエンスを強化することで、利用者の更なる拡大やDX関連のコンテンツ拡充を目指し、企業、産業のDX人材育成への貢献度をより一層高めるべきと判断される、ことから、マナビDXのリニューアルが必要不可欠であるため、リニューアル版のマナビDXを構築することとなった。

社内クラウドからAWSへ移行。コンテンツ管理機能、セキュリティなどを強化

2022年9月、リニューアル版のマナビDXにおいて、実作業を任せられたのが、システム開発やWebコンテンツ制作などを事業とする日本ジョイントソリューションズ(以下JJS)である。

そしてシステム開発をJJS、インフラ構築をブロードバンドタワー(BBTower)が担当することになった。JJSとBBTowerは、長年にわたりいくつものシステム構築を行ってきたビジネスパートナーである。

JJSの提案は、社内クラウド上に構築していたマナビDXの基盤をAmazon Web Services(AWS)上に構築し直すというものだった。AWSを提案した理由としてJJSは、AWSの豊富な実績、安定性や拡張性、セキュリティの高さに加えて、IPAの要求する動作環境への適合も挙げた。

コンテンツ管理については、Webサーバーとデータベースが連携する仕組みを提案したという。講座を開いている企業から送られてきた申請データをポータル上のデータベースに登録して管理し、審査、承認するフローを持たせたのである。JJSは、これらのポータルサイトとして機能するアプリケーションやデータベースの構築、運用、保守を担当した。

BBTowerに求められたのは、そのシステムを稼働させるための強固なインフラの構築だった。クラウドやデータセンターなどさまざまなインフラの構築、運用に長けたBBTowerは、AWSの構築実績も豊富に持っていた。そこでAWSのアカウント作成やサーバー、ネットワークなどの環境構築はもちろん、環境構成図やドキュメント作成を含むインフラ詳細設計を行う「SE支援サービス」や、インフラ環境を24時間365日体制で監視運用し、必要に応じてアラートで通知する「Monitoring Service Plus監視運用サービス」も提供している。

また、セキュリティ対策としてはWAF(Web Application Firewall)の設定、運用も担った。WAFとはサイバー攻撃からWebアプリケーションを保護するもので、AWSでは「AWS WAF」を用意している。そのAWS WAFの運用を自動化するツールが、サイバーセキュリティクラウドが提供する「WafCharm」だ。マナビDXのリニューアル時には、この二つを導入することで、セキュリティの向上を図った。

AWSのさまざまなサービスを熟知していたBBTowerが「AWS WAFとWafCharmも扱っており、その運用にも慣れている」と聞き、任せることにしたという。 「BBTowerのエンジニアは要望を深く理解したうえで、インフラ構成の課題やセキュリティ面で取るべき適切な対策を提案してくれました。あまりに短期間での構築であるため不安もありましたが、BBTowerの進捗報告から専門性の高さや誠実な仕事ぶりが伝わってきたため、安心してお任せできました」(JJS)

短期間での構築を確実に成功させるため、2社間で週に何度もミーティングを開き、進捗を確認しながらプロジェクトを進めていった。問題が発生した際には、JJSとBBTowerの間でチャットを用いて連絡を取りながら早期に対処することもあった。

「どれだけ難しい局面であっても、BBTowerの担当者は『できません』と言わず、目的を実現するための方法を提示してくれました。またAWSの基盤構築に関しては言わずもがなですが、インフラ全般に対する知見が高く、私たちが行った詳細設計が妥当なものかどうかを精査していただくこともありました。ことあるごとに専門家としての助言がもらえるので、BBTowerは非常に心強いパートナーだと考えています」(JJS)

ワンストップ対応の運用監視で24時間365日安定稼動を実現

2023年3月、新しいマナビDXが公開されたが、リニューアル後も安定稼働を続けている。サーバーやネットワークに異常が発生すれば、即座にBBTowerからアラートが送信されるため、迅速な対応が可能だ。また不審なアクセスがあれば、WAFが自動的に遮断してサイトを防御する。

「24時間365日体制での運用監視もセキュリティ対策も、BBTowerがワンストップで対応してくれます。仮にサイトが閲覧できないような状況になったとしても、すぐにメール、電話という複数ルートでアラートが送信されるので、確実に対策を打てる点にも、非常に大きな安心感があります」(JJS)

インフラに関する窓口をBBTowerに一本化したことで、トラブルが発生したとしても原因の切り分けをすることなく、BBTowerに問い合わせれば良いため、スムーズな解決が期待できる。

BBTowerはマナビDXの社会的意義を理解しつつ、安全で堅牢なシステム運用を今後も支援していく考えだ。
企業名
独立行政法人情報処理推進機構
https://www.ipa.go.jp/index.html
設立
2004年1月5日
所在地
東京都文京区本駒込二丁目28番8号
事業内容
サイバーセキュリティの確保
デジタル人材の育成
デジタル基盤の提供