アニコムホールディングス株式会社

  • 業種

    保険業

  • 課題・要望

    統合ファイルサーバー向けバックアップシステムの刷新

  • 製品・サービス

    ストレージ

アニコムホールディングス株式会社 DX企画部 担当部長
菅原 彰英 氏

アニコムホールディングス株式会社 DX企画部 ITソリューション課 担当課長
福沢 幸生 氏
  • ストレージ
  • 保険業
  • ファイルサーバー環境改善
菅原 彰英 氏
PowerProtect Data ManagerとPowerProtect DD6400の導入効果はまさに期待以上。
従来のテープに代わる安定的なバックアップ環境が構築できただけでなく、さらなるセキュリティの強化に繋げられました。今後は他のシステムのバックアップにも活用していきたいと思います。

日次バックアップ時間を従来の約1/5に、リストア時間を最大3日から数十分にそれぞれ短縮できたほか、バックアップデータの容量も約1/10に削減できました。
Dell PowerProtect Data Manager の優れた操作性にも大いに満足しています。

福沢 幸生 氏
予防型ペット保険を中心に幅広いビジネスを展開するアニコムグループでは、「Dell PowerScale」によるグループ向け統合ファイルサーバーを構築している。 しかし近年では、データ量の増加により日次バックアップを規定時間内に終えられないなど、バックアップ面での課題が顕在化してきた。そこで同グループでは、統合ファイルサーバー向けバックアップシステムの刷新に挑むこととなった。
導入効果
  • 〇 リストア作業に要する時間をオペレーション観点で最大3日から数十分にまで短縮
  • 〇 日次バックアップの時間を従来の約1/5に短縮
  • 〇 圧縮・重複排除機能を活用し、バックアップデータの容量を約1/10に削減
  • 〇 大容量ファイルサーバーを無停止でマイグレーションすることに成功

大容量NASバックアップシステムを
Dell PowerProtect Data Managerで再構築
Dell PowerScaleの大容量データを確実に保護
サイバーレジリエンスの強化にも成功

グループの総力を挙げてペットと飼主様の幸せな生活をサポート

anicom01.jpg アニコムホールディングス株式会社
DX企画部 担当部長
菅原 彰英 氏
「ani(命)+Communication(相互理解)」を社名の由来とするアニコムグループでは、持ち株会社であるアニコムホールディングスの下、予防型ペット保険を中心としたビジネスを幅広く展開している。まず、中核企業であるアニコム損害保険では、充実した保険サービスを提供。中でも注目されるのが、診療費の支払い時にその場で保険金請求・受領手続きが行える「窓口精算システム」だ。人の健康保険と同様に利用できることから、契約者からも高評価を獲得。2021年12月末には、国内ペット保険業界初となる契約数100万件突破を達成している。

また、飼主様・動物病院支援事業を担うアニコムパフェでは、クラウド型カルテ管理システム「アニレセクラウド」や飼主様向けしつけ・健康相談・物販サービスなど、多彩なサービスを提供。その他にも、臨床・研究事業を行うアニコム先進医療研究所、飼主様とブリーダー様のマッチングサイト「みんなのブリーダー」を運営するシムネットなど、様々なグループ企業がそれぞれの強みを活かした事業を展開している。

加えて、もう一つ見逃せないのが、データ利活用にも積極的に取り組んでいる 点だ。アニコムホールディングス株式会社 DX企画部 担当部長 菅原 彰英 氏 は「たとえば当社には、膨大な量に上る保険金支払いデータが集まってきます。 これを詳細に分析することで、ペットの病気やケガの予防につなげていくことも可能になります。こうした取り組みを通して、グループ全体で飼主様の方々とペットの幸せな生活をサポートしていきたい」と語る。

Dell PowerScaleで構築された統合ファイルサーバーのバックアップ改善が急務に

このように躍進を続ける同グループだが、業務面で課題となっている点もあった。それは、グループ各社が共同で利用する統合ファイルサーバーのバックアップだ。アニコムホールディングス株式会社 DX企画部 ITソリューション課 担当課長 福沢 幸生 氏は「かつてはグループ内に何台ものファイルサーバーが稼働しており、使い勝手や運用管理が非常に煩雑になっていました。そこで数年前に、デル・テクノロジーズのスケールアウト NAS『Dell PowerScale』( 以下、PowerScale)への統合を実施しました」と振り返る。

大量の大容量データをワンボリュームで管理できるPowerScale を用いることで、一元的な運用管理を行うことが可能に。グループ全体で1,000名を超えるユーザーに対しても、快適な業務環境を提供できるようになった。しかし、その一方で、ファイルサーバーに蓄積されるデータ量は年々増大。これに伴い、バックアップシステムの方が追い付かなくなってきたのである。

「LTOテープライブラリ装置で構築された旧バックアップシステムでは、日次の夜間バックアップが翌朝の規定時間ギリギリまで終わらないような状況でした。また、テープには物理的なオペレーションがつきまといますから、いざリストアするとなった際にもかなりの手間と時間が掛かります。このような問題を早急に解消する必要に迫られていました」と福沢氏は続ける。

大容量ファイルサーバーの効率的なバックアップを実現するDynamic NAS 機能を活用

anicom02.jpg アニコムホールディングス株式会社
DX企画部 ITソリューション課 担当課長
福沢 幸生 氏
既存PowerScaleが更新時期を迎えたことを機に、同部門ではファイルサーバー/バックアップシステムの再構築に着手。ファイルサーバーについては、これまでの実績を評価して引き続き PowerScaleを採用。また、バックアップシステムについては、同社のITパートナーであるブロードバンドタワーが提案したデル・テクノロジーズのデータ保護アプライアンス「Dell PowerProtect DD6400」(以下、DD6400)、並びにバックアップソフトウェア「Dell PowerProtect Data Manager」(以下、PPDM)を新たに採用することとなった。

福沢氏はその理由を「グループ全社が利用するファイルサーバーですから、長時間停止するようなことは許されません。その点、PowerScaleなら、無停止でのデータ移行が可能です。さらに、PPDMが提供する大容量ファイルサーバーの高速バックアップに特化した機能『Dynamic NAS Protection(D-NAS)』や、DD6400の高効率な圧縮・重複排除機能など、当社のニーズにマッチした機能を備えています」と説明する。また、菅原氏も「単なるハードウェアの入れ替えではなく、当社の課題を踏まえた提案だった点も大きかったですね。データ保護に対するデル・テクノロジーズとブロードバンドタワーの考え方や、将来的なロードマップなども丁寧に説明してもらえましたので、非常に納得感が高かった。また、限られた期間内で、 まず何から手を付けるべきか親身に検討してくれた点も高く評価しました 」と語る。

加えて、デル・テクノロジーズとブロードバンドタワーの手厚いサポート体制も決め手になったとのこと。菅原氏は「たまたま社内の機器に障害が相次いだことがあったのですが、デル・テクノロジーズとブロードバンドタワーのサポートは他ベンダーと比較しても抜群に良かった。これなら、新しいテクノロジーを備えた機器も安心して導入できます」と語る。

独自プロトコルやエアギャップ接続でバックアップの安全性を担保

ちなみに今回の取り組みでは、セキュリティも重要なテーマだったとのこと。近年では日本においても、ランサムウェアによる被害が多発している。保険契約者の個人情報などを取り扱う同社にとっても、サイバー攻撃対策のさらなる強化が急務であった。

「もちろん、多層防御によりセキュリティレベルを高めてはおりますが、それでも最後の砦となるのがバックアップです。これも、独自プロトコルによる通信を行うDD6400であれば、バックアップデータに対する侵害などのリスクを最小限に抑えられます。さらには、データ転送時のみネットワークをオンライン化、それ以外はオフライン状態にする『エアギャップ』接続により、本番環境からバックアップデータを隔離する『Dell PowerProtect Cyber Recovery』(以下、CRS)ソリューションもバックアップの保全性を高めるものと評価しています。」と福沢氏は続ける。

日次バックアップ時間を従来の約1/5に短縮

実際の導入に際しては、デル・テクノロジーズ/ブロードバンドタワー両社の支援の下、綿密な事前検証を実施。大容量データを想定通りにバックアップできるか、オペレーションは円滑に行えるかといった点をチェックしていった。その結果、問題なく運用が行えることを確認。新バックアップシステムは2022年10月、新統合ファイルサーバーは同年末から、それぞれ本稼働を開始している。

これにより、従来の課題は完全に解消。福沢氏は「リプレース直前の頃には、すべてのデータを日次バックアップできないため、それほど重要度の高くないデータは、やむなく隔日や週次でバックアップしていました。しかし現在では、これらのデータもすべて日次でバックアップできます。処理時間も以前の約1/5程度に短縮されましたので、何か問題が生じた際にはリトライすることもできます」と満足げに語る。

リストア作業が3日から数十分にデータ容量も約1/10に削減

同様にリストアに掛かる時間・工数についても、劇的な改善が図れている。従来は必要なデータを保存したテープが保管庫にあった場合、取り寄せと復旧作業で3日間程度の時間を要していた。これが現在では、数十分程度で復旧することが可能だ。菅原 氏は「PPDMは検索機能が優れており、戻したいデータを簡単に探し出せるので大変便利です。作業担当者からも、以前のツールより使いやすくなったと大変好評です」と語る。これにより、利便性とサイバー攻撃や障害に対するレジリエンス(回復力)を同時に高めることに成功。今後は更にレジリエンス強化、運用改善に向けた対応を進めていく考えだ。

さらに、DD6400の圧縮・重複排除機能も、リソース有効活用に絶大な威力を発揮。現在ではバックアップデータの容量を、実データの1/10程度にまで削減できている。当初の導入目的は統合ファイルサーバーのバックアップであったが、今後は他のシステムのバックアップにも適用範囲を広げていくという。今回の取り組みの成果を「期待以上だった」と高く評価する菅原氏。今後に向けた展望を「バックアップについてはひとまず一段落ですが、我々の本丸であるデータ利活用についても、さらなる高度化を進めていきたい。デル・テクノロジーズとブロードバンドタワーにも、ぜひ今回のような先進的な提案を望みたいですね」と語った。
企業名
アニコムホールディングス株式会社
https://www.anicom.co.jp/
設立
2000年7月
所在地
東京都新宿区西新宿8-17-1 住友不動産新宿グランドタワー39階
事業内容
子会社の経営管理並びにこれに附帯する業務