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株主・投資家の皆様へ

株主・投資家の皆様へ

~2023年12月期通期決算を終えて~

当社は2000年の創業以来、日本のインターネットの中心地である大手町地区をデータセンター事業の中核地としてとらえ、主要なIX (インターネット・エクスチェンジ:インターネット接続事業者、クラウド事業者、大量コンテンツ提供事業者のトラフィック交流拠点)や、Amazon (AWS)・Microsoft (Azure)などのメガクラウド事業者との閉域網接続(直接接続)を実現するなど、「インターネットに近い」・「ネットワークに強い」データセンター事業者として歩んでまいりました。データセンター、クラウド、およびデータ・ソリューション(主にストレージ)の分野においては、近年のDX化の進展などの後押しにより、今後も市場の中長期的な拡大を見込んでおります。また、全国各地のケーブルテレビ事業者との強力なコネクションを有するメディアソリューションの分野においては、DX化のさらなる進展を見据えた活動を進めております。2023年12月期は、新クラウドサービス「c9 Flex (シーナイン フレックス) サービス Nシリーズ」の開始や、ヨーロッパやアメリカとアジアを結ぶ最短の通信ルートとして注目されつつある北海道の石狩市にて2026年に開設予定の再生可能エネルギー100%で運用する「再エネデータセンター」事業への参画を表明するなど、新サービスの導入によって事業の拡充を図るとともに、将来を見据えたアクションにも着手いたしました。

このような中、2023年12月期通期決算(2023年1月~12月)を終了しましたので、その概要を要約させて頂きたいと存じます。

2023年12月期における連結決算は、売上高13,243百万円(前年同期比6.2%減)、営業損失84百万円(前年同期は361百万円の損失)、経常損失152百万円(前年同期は530百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純利益は、収益性の改善および特別利益として関係会社株式売却益を計上したことなどにより99百万円(前年同期は391百万円の損失)となりました。

連結業績につきましては、ブロードバンドタワー本体が中心として展開するコンピュータプラットフォーム事業において、主にデータ・ソリューションと新大手町サイトが売り上げを牽引いたしました。データセンターでは、新大手町サイトの稼働率上昇に伴う売り上げの増加に加えて、昨今の電気料金の高騰に伴い、料金の見直しを実施したことなどによる原価の低減や販管費の圧縮によって、収益構造が改善いたしました。クラウド・ソリューションでは、自社のc9 Flexサービス、パブリッククラウドサービスなどの売り上げが堅調に推移いたしました。データ・ソリューションにおいては、主力であるDell Technologies社製の「Dell PowerScale / Isilon」について、複数の大型案件を受注したことに加えて、カナダSuperna社のランサムウェア対策ソフトウェア「Eyeglass Ransomware Defender」の引合いも好調であり、売り上げの増加に寄与いたしました。セグメント全体では、利益率の高い運用受託サービスの終了や第1サイトの売り上げの減少による影響から、前年同期比では増収であるものの、損益は赤字となりました。今後、新大手町サイトの稼働率が上昇することで、売り上げの改善を見込んでおります。

一方、メディアソリューション事業では、中核を担うジャパンケーブルキャスト株式会社(JCC)が展開するケーブルテレビ事業者向けデジタル多チャンネル配信プラットフォームサービス「JC-HITS」におけるユーザー数の減少、自治体向けの「地域・防災DXサービス」の受注不足などが影響し、売り上げが減少いたしました。また、沖縄ケーブルネットワーク株式会社(OCN)が前2022年12月期中に持分法適用関連会社へ移行したことに伴い地域メディア事業が売り上げに影響しなくなったことで、セグメントとしての損益は黒字であるものの、売り上げは前年同期比で大幅減となりました。

2023年12月期決算は、コンピュータプラットフォーム事業において、主にデータ・ソリューションと新大手町サイトが売り上げを牽引し収益が改善したこと、関係会社株式売却益の計上などもあり、業績予想と比して、営業損益、経常損益の赤字幅を改善させることができました。また、データ・ソリューションと新大手町サイトの売り上げの伸長、原価や販管費の圧縮基調は今後も継続することが見込まれることから、2024年12月期の業績につきましては、下記の予想を行っております。

2024年12月期 業績予想

2024年12月期は、以上の業績予想の達成を目指すとともに、当社は、DX時代におけるデータセンター業界のリーディングカンパニーとしてさらなる歩みを進めさせて頂く所存です。
今後とも、尚一層のご支援・ご協力をお願い申し上げます。

2024年2月 9日
株式会社ブロードバンドタワー