セガサミーホールディングス株式会社

  • 業種

    総合エンタテインメント

  • 課題・要望

    グループ企業間での柔軟なデータ共有

  • 製品・サービス

    ストレージ

セガサミーホールディングス株式会社 ITソリューション本部 プラットフォーム部
サーバー課 門脇 知紘 氏

セガサミーホールディングス株式会社 ITソリューション本部 プラットフォーム部
ユーザーサポート課 和知 大介 氏

セガサミーホールディングス株式会社 ITソリューション本部 プラットフォーム部
サーバー課 若林 億斗 氏
  • ストレージ
  • 総合エンタテインメント
  • 柔軟なデータ共有
門脇 知紘 氏
「信頼関係が結ばれていないADサーバーが複数稼働している環境下で、組織の枠を超えたデータ共有を実現できる製品は「Dell EMC PowerScale」だけでした。今後も関連各社への展開を推進し、グループシナジーの最大化に役立てていきたいと思います。」

和知 大介 氏
「ファイルサーバーの性能が大きく向上したことで、重たいファイルも快適に活用できるようになりました。細かいファイルを大量に転送しても性能が落ちないのは素晴らしいですね。データ圧縮・重複排除機能の効果も大きく、約40% の容量を削減できています。」

若林 億斗 氏
「今後はグループ各社のファイルサーバーを当社で一括して運用することになりますが、Dell EMC PowerScaleは運用管理がシンプルなので安心です。専用監視・分析ツール「InsightIQ」を用いて各種の情報が簡単に把握 できるのもたいへん便利ですね。」

総合エンタテインメント企業のセガサミーホールディングスでは、グループの情報活用を加速する新統合ファイルサーバーを構築した。その中核には、デル ・ テクノロジーズのスケールアウト NAS 「Dell EMC PowerScale( Isilon)」を採用。グループ企業間をまたいだ柔軟なデータアクセスを実現すると同時に、リソースの有効活用やコスト削減、運用管理の効率化など、数多くのメリットを実現している。
ビジネス課題
日本を代表する総合エンタテインメント企業として、「遊技機事業」「エンタテインメントコンテンツ事業」「リゾート事業」の 3 領域でビジネスを展開するセガサミーグループ。同社において大きな課題となっていたのが、各種の業務データを格納するファイルサーバーの刷新である。従来は個別のグループ企業ごとにファイルサーバーを導入していたため、企業の枠を超えたデータ活用が行いにくい状況であった。そこで同社では、より柔軟な情報活用を可能にする新統合ファイルサーバーの構築に取り組むこととなった。

導入効果
  • 〇 相互に信頼関係のないAD サーバー環境下での柔軟なデータ共有を実現
  • 〇 旧環境からのデータ移行作業を当初想定の約 1/4 の期間で完了
  • 〇 個別グループ企業におけるハードウェア運用管理工数をゼロに
  • 〇 データ圧縮・ 重複排除機能を活用し、容量を約 40% 削減することに成功
新たな「遊び」の提供を目指す総合エンタテインメント企業として、幅広い領域でビジネスを展開するセガサミーグループ。その持ち株会社として、グループ経営の司令塔の役割を担うのがセガサミーホールディングスだ。

今回同社では、スケールアウト NAS「Dell EMC PowerScale(Isilon)」によるグループ統合ファイルサーバーを新たに構築した。これにより、組織の枠に捉われることなく柔軟に情報を活用できる環境を実現。また、グループ IT インフラの最適化や調達コスト削減、運用管理の効率化など、数多くの成果を上げる ことに成功している。

グループ統合ファイルサーバーを Dell EMC PowerScale(Isilon)で新たに構築
組織の枠を超えた柔軟な情報活用を実現

グループ IT インフラのシェアードサービス化を推進

セガサミーホールディングス株式会社
ITソリューション本部 プラットフォーム部
サーバー課
門脇 知紘 氏
「感動体験を創造し続ける~社会をもっと元気に、カラフルに~」のグループミッションの下、クオリティの高いエンタテインメントを提供するセガサミーグループ。サミーを中心とした遊技機事業では、卓越した開発力・ 発想力に基づく斬新な遊技機群を展開。 セガグループが手掛けるエンタテインメントコンテンツ事業でも、スマホゲームやアプリ、家庭用ゲーム、アミューズメント機器/トイの開発・製造、アニメーション/映像制作など、多面的な事業展開を行っている。また、リゾート事業でも 「フェニックス・シーガイア・ リゾート」や韓国初の統合型リゾート「パラダイスシティ」など様々な施設を運営。日本を代表する総合エンタテインメント企業グループとして躍進を続けている。

セガサミーグループでは、業務を支える IT インフラ環境の整備・拡充に意欲的に取り組んでいる。 セガサミーホールディングス IT ソリューション本部 プラットフォーム部 サーバー課 門脇 知紘 氏は「当グループでは数多くの企業が活動していますが、開発業務以外の IT インフラについてはホールディングス側で統括しています。今後はグループ全体として最適な環境を追求すべく、IT インフラのシェアードサービス化をさらに進めていきたいと考えています」と語る。

企業間の枠を超えたファイルサーバー利用をいかにして実現するか

セガサミーホールディングス株式会社
ITソリューション本部 プラットフォーム部
ユーザーサポート課
和知 大介 氏
もっとも、こうした取り組みを進める中では、様々な壁に直面することもあった。特に直近の課題となっていたのが、ファイルサーバーの環境改善である。セガサミーホールディングス IT ソリューション本部 プラットフォーム部 ユーザーサポート課和知 大介 氏は「当グループでは、グループ企業同士で連携してビジネスを行うケースが少なくありません。しかし、従来はそれぞれの会社で個別にファイルサーバーを導入していたため、業務で必要な情報を共有することが容易ではありませんでした」と振り返る。

たとえば、サミーの社員がセガのファイルサーバーにアクセスしたいと考えた場合、以前はセガ側でその都度新たなアカウントを発行する必要があった。この ため、ファイルサーバーのアカウント管理が非常に煩雑になっていたのだという。和知 氏は「せっかくグループ内で活発な人材交流が行われているのに、システムがその足かせになってしまうようでは問題です。ファイルサーバーに関しても、企業や組織の枠に捉われることなく、もっと柔軟に活用できる環境の必要性を感じていました」と語る。

アクセスゾーン機能を評価しDell EMC PowerScale を採用

グループ内でも最大級のデータ容量を有するセガのファイルサーバーが更新時期を迎えたことを機に、同社ではグループ企業間をまたいだ情報活用を可能にする新統合ファイルサーバーの導入に着手した。ここでネックとなったのが、Active Directory(AD)の問題である。「今回のファイルサーバー統合では、ファーストステップとして、まずセガ、サミー、そしてセガサミーホールディングスの 3 社をターゲットとしました。しかし、3 社の AD サーバーは相互にドメインの信頼関係が結ばれておらず、そのままでは別の会社の領域にアクセスできません。何かいい方法はないか、従来利用していたファイルサーバーのベンダーにも相談しましたが、『解決策はない』との回答で困ってしまいました」と門脇 氏は語る。

この難題を唯一クリアする機能を備えていたのが、デル ・ テクノロジーズのスケールアウト NAS で 2020 年 6 月にリブランドを果たした「Dell EMC PowerScale( Isilon)」(以下、PowerScale)であった。「PowerScaleには、マルチテナント的な使い方を容易に実現できる 『アクセスゾーン』機能が備わっています。これを利用すれば、サミーの社員に対してセガ向けの特定のディレクトリだけを見せるといったことが可能です。こうした利用法を実現できるストレージ製品は他に存在しませんでしたので、この点が実質的な決め手となりました」と門脇 氏は語る。

セガサミーホールディングス株式会社
ITソリューション本部 プラットフォーム部
サーバー課
若林 億斗 氏
さらに、アクセスゾーン以外の機能についても、他社のストレージより優れている部分が多かったとのこと。「たとえば、専用監視・ 分析ツール 『InsightIQ』もその一つです。どのディレクトリがどれくらいの容量を消費しているかといった情報が簡単に把握できる上に、画面もグラフィカルで非常に分かりやすい。私自身、ストレージシステムの運用管理を本格的に担当するのは今回が初めてですが、使い勝手がシンプルなので容易に操作方法を習得できました」と語るのは、セガサミーホールディングス IT ソリューション本部 プラットフォーム部 サーバー課若林 億斗 氏。また和知 氏も、「シェアードサービス化を進める上では、各部門へ費用の割り当てを行う必要があります。こうした際も InsightIQ の情報を利用することで、説得力の高い資料を提示できます」と続ける。

大幅な性能向上を実現
データ容量も約 40% 削減

なお、今回のプロジェクトに関しては、PowerScale の導入実績を数多く有する株式会社ブロードバンドタワーが担当した。「事前に PowerScale のシミュレーターを用意してもらうなど、ブロードバンドタワーにも様々な支援を提供してもらいました。おかげで不安なく導入に臨めましたね」と門脇 氏は語る。具体的な製品としては、「Dell EMC Isilon H500」× 6 ノードを採用。2020 年 6 月より、無事本番稼働を開始している。

Dell EMC PowerScale の導入は、同社の業務に大きな改善効果をもたらしている。まず一点目は、ファイルサーバーの大幅な性能向上だ。「まず驚いたのが、旧ファイルサーバーからのデータ移行期間を大幅に短縮できた点です。6 月から開始し、年末までの半年くらいは掛かるものと考えていましたが、PowerScale が非常に高速なおかげで、当初想定の約 1/4 程度の期間で移行を終えられました」と門脇 氏は語る。

また、和知 氏も「大量のアクセスが一気に集中した際にも、レスポンスが落ちないのは素晴らしいですね。旧ファイルサーバーでは、重たいファイルを開くのに時間が掛かるといった問い合わせがしばしば寄せられていましたが、現在ではこうした声も聞かれなくなっています」と続ける。データ圧縮・重複排除機能「SmartDedupe」の効果も大きく、約 40% の容量削減を達成しているとのこと。門脇 氏は「これも我々の予想を大きく上回る成果でした」と満足げに語る。

運用管理の標準化・ 効率化に貢献
遠隔地へのデータバックアップも

もちろん、最大の懸案であった組織間をまたぐデータ共有の問題も完全に解消。若林 氏は「現在では、業務に必要なディレクトリへのアクセス権限を簡単に付与できます。グループ企業の垣根を超えた情報活用がやりやすくなったことは、ビジネス上も大きなメリットと言えます」と力強く語る。

加えて、運用管理の標準化・省力化にも大きく貢献している。「現時点ではセガ、サミー、セガサミーホールディングスをはじめとするグループ6 社のファイルサーバーを集約していますが、今後さらにグループ内で対象企業を拡げていく予定 です。集約を進めていくことで、各グループ会社ではハードウェアの運用管理を自前で行う必要がなくなりますし、サービス化によるコスト削減も見込めます」と門脇 氏は語る。旧ストレージシステムでは管理権限の委任に制限があり、権限を有する専任のストレージ担当者がほとんどの作業を行う必要があった。「その点、PowerScale は管理権限を柔軟に設定できるため、サーバー課/ユーザーサポート課で効率的に作業を分担できています。おかげでユーザーの要望にも、タイムリーに対応できるようになりました」と若林 氏は満足げに語る。

さらに同社では、アーカイブ用途向けの「Dell EMC Isilon A2000」を用いた DR( 災害復旧)システムの導入も決定。本社のデータを遠隔地のデータセンタへバックアップすることで、BCP( 事業継続計画)強化やランサムウェア対策などに役立てていく考えだ。「PowerScale は新製品へのマイグレーションも容易ですし、デル・ テクノロジーズ並びにブロードバンドタワーのサポートにも満足しています。今後についての不安も全くありません」と若林 氏はにこやかに語った。
企業名
セガサミーホールディングス株式会社
https://www.segasammy.co.jp/
設立
2004年10月
所在地
東京都品川区西品川1-1-1 住友不動産大崎ガーデンタワー
事業内容
総合エンタテインメント企業グループの持株会社として、 グループの経営管理及びそれに附帯する業務